Chefの有償化とは、”具体的に”どういうことなのか?

https://www.creationline.com/tech-blog/30958

上記記事で説明されている通り、今まで完全に無料で使えていたChefは、Chef v15以降はProgress社からライセンスを取得しなくてはいけなくなりました。

このChefの有償化について、具体的にどういうことなのか。何が変わったのか。

今まで無料でChefを利用してきた企業が考慮すべき事柄についてまとめます。

なぜ"今"、Chefライセンスについて考えるのか?

Chef有償化のアナウンスが公式に発表されたのが2019年であり、4年も前のことになります。

ある企業は、今まで通りライセンスを取得せずに無料でChefを使い続けているかもしれません。特に問題にはなりません。Chef v14までは従来通りライセンスを取得せずに使い続ける事ができるからです。

しかし、LinuxWindowsなどのサーバーOSのバージョンが上がるにつれて、互換性の問題でChef v14が動作しなくなる環境がでてきます。自然な流れとしてChefのバージョンもv15+に上げていく必要があります。遅かれ早かれChefを使うすべての企業がいずれはChef v15+を使うようになります。

この時に、真剣に考慮すべきライセンスの問題が発生します。


Chef v14の時と同じ感覚で、Chef v15を使ってしまうと、ライセンス違反を犯してしまうことになるのです。

ーーどういうことでしょうか。

故意にライセンス違反を犯す、ということではなく、社内のインフラエンジニアが何も気にせずに、今まで通りにChefを使い続けてしまう危険性があります。Chef v14 までは何の問題もありませんでした。無料で使う事ができていたからです。しかしChef v15以降を使う場合、事前にProgress 社からライセンスを取得する必要があります。Chefのバージョンやライセンスを気にせずにChefを利用し続けている企業は、重大なリスクがそこ潜んでいることを認識しておく必要があります。

ーーリスクが潜んでいる、とは?

Chefのライセンス販売を行っているのは米国のProgress社です。米国の会社であり、ライセンス規約違反に対して強いアクションを取る可能性があります。訴訟問題に発展するリスクがあります。

ーーリスクが放置されているのは、なぜか。

一つには、無断でChefを使い続けることが技術的に可能であることが挙げられます。つまり、ライセンスの取得をせずにChefを利用し続けてしまい、知らぬ間にライセンス規約違反を組織ぐるみで犯してしまう可能性があるのです。

そのため、”今” Chefのライセンスについて正しく理解する必要があるのです。

無断で使い続けることができてしまうのか?

できてしまいます。

十分に理解するために、有償化がどのようにして行われているかを知る必要があります。

Chef v15以降、次のようなターミナル出力画面をご覧になった事があるでしょうか。

mask@MBP:~$ chef install                                            
+---------------------------------------------+
            Chef License Acceptance

Before you can continue, 3 product licenses
must be accepted. View the license at
https://www.chef.io/end-user-license-agreement/

Licenses that need accepting:
  * Chef Workstation
  * Chef Infra Client
  * Chef InSpec

Do you accept the 3 product licenses (yes/no)?

現場で働くインフラエンジニアの方々は、見たことがある、とお答えになると思います。 この出力に'yes'と入力することでChef v15+を使うことができます。それは以下の Agreement に同意したことを意味します。

https://www.chef.io/end-user-license-agreement/

この Agreement には次の文言があります。

"IF...YOU INTEND TO USE THE SOFTWARE FOR COMMERCIAL PURPOSES, YOU MUST CONTACT PROGRESS DIRECTLY TO OBTAIN A COMMERCIAL LICENSE FOR THIS SOFTWARE."

つまり、商用目的でChefを利用する場合、Progress社から商用ライセンスを取得することを義務付けており、その上でChefを使うことに同意することを意味しています。

既に会社としてライセンスを取得済であれば問題ではありませんが、万が一、エンジニアが Agreement に同意していることを会社が把握しておらず、ライセンスを取得していない状態でChefを使い続けるなら、無断でソフトウェアを利用していることになり、ライセンス規約違反を組織ぐるみで犯してしまうことになってしまうのです。

どの機能が無料で使えなくなるのか?

基本的にすべてのChef機能が有償になります。 レシピやCookbookをローカルで実行するChef SoloやChef Workstationの利用を含むすべてのChef機能においてライセンスの取得が必要になります。

OpsWorksやState Manager などのAWSが提供するChef関連サービスにおいてもライセンスの取得が必要になります。

ライセンスに関して問い合わせる

社内で利用されているChefのバージョンを把握しChefライセンスについて国内代理店に問い合わせる事ができます。

現状、Chefの技術サポート・コンサルやライセンス販売を国内で行っているのは、以下の1社のみのようです。

https://www.creationline.com/chef

Chefに関する問い合わせフォームへ (Link)

Chefの有償化とは、”具体的に”どういうことなのか?

https://www.creationline.com/tech-blog/30958

上記記事で説明されている通り、今まで完全に無料で使えていたChefは、Chef v15以降はProgress社からライセンスを取得しなくてはいけなくなりました。

このChefの有償化について、具体的にどういうことなのか。何が変わったのか。

今まで無料でChefを利用してきた企業が考慮すべき事柄についてまとめます。

なぜ"今"、Chefライセンスについて考えるのか?

Chef有償化のアナウンスが公式に発表されたのが2019年であり、4年も前のことになります。

ある企業は、今まで通りライセンスを取得せずに無料でChefを使い続けているかもしれません。特に問題にはなりません。Chef v14までは従来通りライセンスを取得せずに使い続ける事ができるからです。

しかし、LinuxWindowsなどのサーバーOSのバージョンが上がるにつれて、互換性の問題でChef v14が動作しなくなる環境がでてきます。自然な流れとしてChefのバージョンもv15+に上げていく必要があります。遅かれ早かれChefを使うすべての企業がいずれはChef v15+を使うようになります。

この時に、真剣に考慮すべきライセンスの問題が発生します。


Chef v14の時と同じ感覚で、Chef v15を使ってしまうと、ライセンス違反を犯してしまうことになるのです。

ーーどういうことでしょうか。

故意にライセンス違反を犯す、ということではなく、社内のインフラエンジニアが何も気にせずに、今まで通りにChefを使い続けてしまう危険性があります。Chef v14 までは何の問題もありませんでした。無料で使う事ができていたからです。しかしChef v15以降を使う場合、事前にProgress 社からライセンスを取得する必要があります。Chefのバージョンやライセンスを気にせずにChefを利用し続けている企業は、重大なリスクがそこ潜んでいることを認識しておく必要があります。

ーーリスクが潜んでいる、とは?

Chefのライセンス販売を行っているのは米国のProgress社です。米国の会社であり、ライセンス規約違反に対して強いアクションを取る可能性があります。訴訟問題に発展するリスクがあります。

ーーリスクが放置されているのは、なぜか。

一つには、無断でChefを使い続けることが技術的に可能であることが挙げられます。つまり、ライセンスの取得をせずにChefを利用し続けてしまい、知らぬ間にライセンス規約違反を組織ぐるみで犯してしまう可能性があるのです。

そのため、”今” Chefのライセンスについて正しく理解する必要があるのです。

無断で使い続けることができてしまうのか?

できてしまいます。

十分に理解するために、有償化がどのようにして行われているかを知る必要があります。

Chef v15以降、次のようなターミナル出力画面をご覧になった事があるでしょうか。

mask@MBP:~$ chef install                                            
+---------------------------------------------+
            Chef License Acceptance

Before you can continue, 3 product licenses
must be accepted. View the license at
https://www.chef.io/end-user-license-agreement/

Licenses that need accepting:
  * Chef Workstation
  * Chef Infra Client
  * Chef InSpec

Do you accept the 3 product licenses (yes/no)?

現場で働くインフラエンジニアの方々は、見たことがある、とお答えになると思います。 この出力に'yes'と入力することでChef v15+を使うことができます。それは以下の Agreement に同意したことを意味します。

https://www.chef.io/end-user-license-agreement/

この Agreement には次の文言があります。

"IF...YOU INTEND TO USE THE SOFTWARE FOR COMMERCIAL PURPOSES, YOU MUST CONTACT PROGRESS DIRECTLY TO OBTAIN A COMMERCIAL LICENSE FOR THIS SOFTWARE."

つまり、商用目的でChefを利用する場合、Progress社から商用ライセンスを取得することを義務付けており、その上でChefを使うことに同意することを意味しています。

既に会社としてライセンスを取得済であれば問題ではありませんが、万が一、エンジニアが Agreement に同意していることを会社が把握しておらず、ライセンスを取得していない状態でChefを使い続けるなら、無断でソフトウェアを利用していることになり、ライセンス規約違反を組織ぐるみで犯してしまうことになってしまうのです。

どの機能が無料で使えなくなるのか?

基本的にすべてのChef機能が有償になります。 レシピやCookbookをローカルで実行するChef SoloやChef Workstationの利用を含むすべてのChef機能においてライセンスの取得が必要になります。

OpsWorksやState Manager などのAWSが提供するChef関連サービスにおいてもライセンスの取得が必要になります。

ライセンスに関して問い合わせる

社内で利用されているChefのバージョンを把握しChefライセンスについて国内代理店に問い合わせる事ができます。

現状、Chefの技術サポート・コンサルやライセンス販売を国内で行っているのは、以下の1社のみのようです。

https://www.creationline.com/chef

Chefに関する問い合わせフォームへ (Link)

AWS OpsWorks Chef ”サービス終了”の対応について

TL;DR

公式からスクショ貼り付け: capture 2023-08-09 16.28.57.png

代替ソリューションに関して問い合わせる:https://www.creationline.com/contact

AWS OpsWorks Chefとは?

AWS公式サイトから引用:

AWS OpsWorks for Chef Automate では、マネージド型の Chef サーバーを利用できます。これを使用すると、Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2) インスタンスおよびオンプレミスサーバーで運用タスクを自動化できます。

つまり、自前で Chef Server を用意しなくても Chef 機能を使えるようにできるサービスです。

OpsWorks Chefの課金体系

AWS公式サイトから引用:

AWS OpsWorks for Chef Automate では、Chef Server に接続されているノードの数とそのノードの実行時間に基づいて課金され、Chef Server を実行している基盤となる Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2) インスタンスに対しても課金されます。

Chef Server のメンテナンスにかかる工数から解放はされるものの管理するノードに対しては、通常のインスタンス利用料に加えて Chef 機能の利用量が課金されています。 その追加料金がChefを開発・メンテするProgress社の取り分となるわけですね。

OpsWorks Chefの今後

Chef Server等のインストール、運用、メンテナンスが不要で便利な AWS OpesWorks Chef ですが、 2024年5月にサービスが終了します。

既に新規の契約を受け付けておらず、既存利用者に対してもサービス終了のための準備をするようにアナウンスがなされています。

https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/opsworks/latest/userguide/opscm-eol-faqs.html

このサービス終了により、既存のユーザーにはどのような影響がありますか?

コンソールまたは API を使用してサーバーを管理できなくなります。その時点で、バックアップやメンテナンスなど、サーバーの継続的な管理機能の実行を停止します。お客様への影響を最小限に抑えるため、Chef Automate サーバーをバックアップしている EC2 インスタンスを実行したままにします。

どのような代替手段に移行できますか?

AWSそしてProgress Chefは、フルマネージド型のChef Automateサービスの恩恵を引き続き受けられるように、新しいChef SaaSサービスに移行することを推奨しています。Chef SaaSを使い始めるには、Chefに連絡して、Chef SaaSアカウントの設定方法とデータとノードの移行方法に関するドキュメントを入手してください。

(*Chef社はProgress社に買収されています)

サービス終了に伴いChef機能が完全に停止してしまう様子です。しかし、全く同等の機能を提供するChefサーバーを自前で用意することで、今まで活用してきたChef機能そのものは、完全に受け継ぐことが可能です。 自前のChefサーバーは、OpsWorks経由ではない、EC2インスタンス上にデプロイする方法や、オンプレ環境に用意することもできます。

または、Proress社が提供する Chef SaaS を活用することができるようです。

代替案

・Chef SaaS

Chefを買収したProress社が提供するChef SaaSOpsWorks Chefと全く同じ運用を行うことができます。

・自前でChef Server構築(クラウドorオンプレ)

自前でChef ServerをデプロイすればChef機能を継続して利用することができます。 既存のCookbookやレシピに改修は必要なく、そのまま使うことができます。

いずれにしても、Progress 社からのChefライセンスが必要になりますが、国内代理店から取得することができます。

問い合わせ先:

現状、Chefの技術サポート・コンサルやライセンス販売を国内で行っているのは、以下の1社のみ。

https://www.creationline.com/chef

Chefに関する問い合わせフォームへのリンク

ChefやInSpecは、2019年に無償の利用ができなくなっている。

https://www.creationline.com/tech-blog/30958